武陵へ行って手で蜜りんごを摘もう

「日本人が50年間試験をしても成果が出なかったが、開拓に来た老兵が成功させた!」 台中の和平梨山地区、標高2000メートルの山林は豊かな果実で覆われ、緑の中に赤い点々が見える。日夜の温度差が10度以上あるため、果実は繊細で甘く、花の香りが混ざり合った蜜りんごが生まれる。蜜桃や水梨と共に、武陵、福壽山、梨山一帯の有名な果物である。

「二等生」の小さなりんごから武陵の名産品へと、蜜りんごの栽培の物語は美談として広まっている。1950年代、政府は一群の退役軍人を募集し、山に登って開墾させ、高山気候に適した温帯の果物を栽培する計画を立てた。15種類以上、約200品種の高山野菜と果物の試験の結果、園芸専門家や地元の先住民の驚きの中で、次々と桃、梨、りんごなどの果実が結実し、最終的に多くの改良を経て、繊細で蜜が詰まった蜜りんごが誕生した。

枝に実る小さな赤い果実、緑の皮に少しのピンクの斑点があり、少女のような輝きを放つ。星形の結晶蜜腺が名前の由来である。しかし、手のひらサイズの果実を一口かじると、中に閉じ込められた花の香りと蜜が口いっぱいに広がる。毎年11月から、美食家たちは山に登って初冬の甘くてサクサクした果実を楽しむ。


蜜りんごの豆知識

  • 蜜りんごは品種ではなく、りんごの一種の生理現象である。成長中の果実は寒さに耐えるためにデンプンを糖に変え、これが蜜腺と呼ばれるものである。
  • 蜜りんごと一般のりんご品種の最大の違いは、果実が小さく、表面にワックスがないことである。
  • 収穫時期は霜降りから初冬までの短い1か月間である。
  • 別名、台湾本土の高山りんごであり、主な産地は梨山と大禹嶺である。